世界の１歳が遊ぶ理由
観察、調査、フィールドワーク
わたしたちの製品づくりはまず、子どもたちを観察することから始まり、開発の過程で何度もそれを繰り返します。
これまで、19カ国・75組の家族（現在も増加中！）にインタビューや家庭訪問を行い、1歳の日常的な好奇心行動を詳細に観察・調査しました。
さらに、1歳がどのように遊ぶかを知るために、プロトタイプでのモニターテストを繰り返し行い、これまでに145名の１歳たちを観察してきました。
好奇心ライブラリー
これらの観察とフィールドワークを通じて、世界中の1歳の好奇心行動のデータベースを作成。
わたしたちの製品は、このデータから得られた気づきや、仮説に基づいて開発されています。
設計、デザイン
1curiosityの製品は、世界の１歳の根源的な欲求（＝好奇心）を追究し、１歳が自然と使い方・組み合わせを試行錯誤するよう設計、デザインされています。そのため、１歳がとにかくよく遊び、次々に好奇心が連鎖していきます。
・1歳の日用品への好奇心行動から導き出した、1歳が「さわりたい！知りたい！」と思うサイズ、重さ、質感にミリ単位までこだわった設計が、1歳の探索行動を十分に引き出します。
・1歳が魅力に感じる日用品の要素を残して抽象化したデザインが、「大人と同じように使ってみたい！」という模倣のイマジネーションを引き出すことで、１歳がそれらを組み合わせたり、見立てたり、1歳が思い思いに使い方を試行錯誤し、制限なく遊びを創造します（時に、大人の想像を超える遊びを見せてくれることもあります）。
フム・フムの開発背景
1st試作
子どもはなぜティッシュが好きなのか？
子どもの行動をよく観察し、それを分解して、子どもの好きな要素を抽出した結果、ティッシュへの好奇心のきっかけになる様々な要素を発見しました。その中の、「指でつまむ形」、「モノを出し入れできる隙間」、「引き抜く時の抵抗感」、「エンドレス」という要素を再現したのがこの試作です。ゴム製の入れ物の隙間に小さなピンを刺したシンプルな組み合わせですが、子どもたちはピンを指先でつまんで器用にゴムの隙間に出し入れすることを繰り返しやっていました。
4th試作
子どもの自然な好奇心を引き出す組み合わせとは？
1st試作で子どもがよく遊んだ要素はそのままに、隙間の形やサイズ、出し入れするモノの種類を増やしてみました。カゴに輪ゴムをセットして様々なサイズの隙間を作り、中のモノは子どもたちが触りたがるモノを色々試しました。子どもたちは試行錯誤しながら隙間からそれを出そうとしました。
7th試作
1歳に最適化されたデザインとは？
4th試作で隙間が狭すぎると、1歳児にとって難易度が高すぎたり、中に入っているモノが見えにくくて子どもの純粋な好奇心を削いでしまうことがわかりました。そのため、7th試作にはすぐに出し入れができる穴と、中が見えるように本体に透明な部分を設けて、同時に中身も1歳が好きな要素を抽出して搭載しました。
こうして試作を何度も繰り返す中で、私たちは子どもたちの好奇心を満たすために、いくつかの重要な要素を発見し、それをより彼らが遊びを創造できるように抽象化してデザインしたのがフム・フムです。
①いろんな向き、いろんな幅の隙間があると試行錯誤が広がる
②出し入れする時に抵抗感を出す形や素材があると探索を促せる
③柔らかい本体は、握って持ち上げたり投げたり扱いやすく、出し入れする時も底まで手が届き、彼らの意欲をちょうどよく削がない
④外側から中がよく見えると、入っているモノに興味を惹かれて出し入れを楽しむ
日用品からヒントを得る私たちのものづくりの背景
ボトル
薬の瓶、ペットボトル、シャワーヘッド、ヘアドライヤーなど、様々な日用品を調査した結果、1歳には世界共通の握りたい太さや形があることがわかり、それを搭載したのがこのアイテムです。本体の両端にはつまみたくなる形のコンセントのような柔らかい2つの突起と、ペットボトルから着想した回したくなるサイズや凹凸を搭載しました。指でつまんで持ち上げる、穴に指を入れる、蓋を回して音を聞く、このアイテムだけで1歳が様々な遊びを創造していきます。
Before
After
ブラシ
これは1歳の触りたくなる形、素材を再現したアイテムです。ヘアブラシ、調味料の刷毛、化粧用の筆などからヒントを得たもので、この複数の柔らかい突起の不思議な感触は1歳の好奇心を大いに刺激し、指先で触ったり、つまんだり、舐めてみたり、集中して遊びます。また、時にはこれをヘアブラシに見立てて頭を梳かす真似をする1歳もおり、その創造力は大人の創造を超えます。
Before
After
蓋つき容器
容器も1歳が好きな身の回りのメインアイテムです。この容器は子ども用のヨーグルト容器の形を参考にしました。縁を舐めたり蓋を開け閉めしたり、このアイテムだけで様々な行動を見せてくれます。また、蓋の代わりに他のものを合わせてみようとしたり、蓋の穴にはそこに合いそうな突起を入れてみようとしたり、組み合わせを楽しむ行動が見られます。
Before
After
缶
金属の冷たく硬い感触や音は、子どもにとって新しい感覚です。保湿クリームの入った缶容器を1歳は持って離さないことからこのアイテムは生まれました。表面の輝き、冷たさ、滑らかさ、何かをぶつけたときの硬質な感触が金属製の缶の特長で１歳の感覚を刺激します。また円形、厚み、多少の凹凸ある形状も握って離さないこだわりのポイントです。蓋にある突起をつまんで持ち上げ他の小物と組み合わせたりもします。
Before
After
蓋
薄くて軽い蓋は小さな手でも掴みやすく握りやすい１歳が大好きな日用品の１つです。私たちは様々な蓋を調査し、縁、平べったい形、軽さ、表面の凸凹など、沢山の1歳が好きな要素を発見しました。すべての要素を搭載したこのアイテムは一見シンプルですが、ボールを載せる、穴に嵌めるなど、モノとモノを組み合わせる楽しさを1歳は発見していきます。
Before
After